検査や処置前のコミュニケーション

小児科では、検査や処置の前に対象の患児とコミュニケーションを取る必要性があります。
大人は、これから何をするかを言うことで通じますが、患児にはそれでは理解することがまだ無理だからです。
また、適切な説明がなされなまま行われる強制的な検査や処置は、患児の不安や緊張を増悪させてしまいます。
すると、正確な結果が出ないことや、適切な処置ができないだけでなく、患児が今回検査や処置に取り組む際の弊害となる恐れがあるのです。
そこで、検査や処置の前には、今から行うことを患児にも理解できるように伝えるため、プレパレーションを実施します。
実際プレパレーションをする際には、以下の3つのポイントがあります。

1つ目は、発達段階を考慮することです。
患児と言っても、その年齢は様々なため、対象の患児が理解できるような言葉などを使用する必要があります。

2つ目は、必要に応じて人形、ぬいぐるみ、イラストなど視覚的な要素も取り入れながら、説明をすることです。
簡単な検査や処置では、言葉のみの説明で理解可能なこともありますが、医療器具などについて説明をすることは非常に困難です。
そこで、実際に目で見て、わかるかたちで示しながら説明すると伝わりやすくなります。

3つ目は、患児が落ち着いて話を聞けるような環境でプレパレーションを行うことです。
病院や慣れない環境では、子どもは緊張し不安が増強しやすくなります。
そこで、ご家族の協力や、患児が普段使っているものやおもちゃなどを用意して、不安をほぐしたうえで説明に入れるようにしましょう。